認知症の方が一人で外出してしまうときの対策

「気づいたら、認知症の母が一人で外出していた」

「何度も家の外へ出ようとするので、目が離せない……」

認知症の方が一人で外出してしまうと、道に迷ったり、事故に遭ったりする危険があり、ご家族にとって大きな心配の種になります。

大切なのは、外出をただ止めるのではなく、本人が外へ出ようとする理由を考え、安全に過ごせる環境を整えることです。

1.なぜ一人で外出してしまうの?

認知症の方が外出する背景には、本人なりの理由があることも少なくありません。

① 家に帰ろうとしている

自宅にいるのに「家に帰らなければ」と感じたり、昔住んでいた家を探そうとしたりすることがあります。記憶や場所の認識の変化が関係している場合があります。

② 仕事や用事があると思っている

「仕事に行かなければ」「子どもを迎えに行かなくては」など、以前の生活習慣や役割を思い出し、外へ出ようとすることがあります。

③ 不安や落ち着かなさを感じている

自分がどこにいるのかわからない、何をすればよいかわからないといった不安から、歩き回ったり外出したりすることもあります。

2.家族ができる5つの対策

🌿 ① 外出する時間やきっかけを把握する

いつ、どのような状況で外へ出ようとするのかを記録しましょう。夕方や家族が忙しい時間帯など、傾向がわかれば事前に声をかけるなどの対策を考えやすくなります。

🌿 ② 本人の気持ちを否定しない

「どこへ行くの!」「出てはダメ!」と強く叱ると、不安や抵抗が強まることがあります。「何か気になることがあるの?」「少しお茶を飲んでからにしようか」と、気持ちを受け止めながら対応しましょう。

🌿 ③ 安全対策を整える

玄関のチャイムや開閉センサー、見守り機器などを活用すると、外出に気づきやすくなります。本人の尊厳や生活の自由にも配慮しながら、必要な対策を検討しましょう。GPS機器や連絡先カードも、行方がわからなくなったときの備えになります。

🌿 ④ 安心して過ごせる時間をつくる

散歩や家事、好きな音楽など、本人が楽しめる活動を取り入れましょう。外へ出たい気持ちの背景に、退屈や不安、役割を果たしたい思いが隠れていることもあります。

🌿 ⑤ 家族だけで抱え込まない

ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、介護サービスや見守り体制を検討しましょう。家族が24時間見守り続けるのは大きな負担です。専門家の力を借りることも大切です。

3.外出して帰れなくなったら?

本人が見当たらないときは、まず安全を確認し、警察に相談してください。行方不明のおそれがある場合は、帰宅するまで待たず、早めに110番などで助けを求めましょう。

普段から本人の最近の写真や服装、よく行く場所を把握しておくと、捜索時に役立ちます。

また、一人での外出が繰り返される場合は、医療機関にも相談しましょう。本人の状態に応じて、見守りの方法や生活環境を見直すことが必要です。

よくある質問(Q&A)

Q.玄関に鍵をかけて外出できないようにしてもよいですか?

A.閉じ込めることを前提にするのではなく、本人の安全と自由を両立できる方法を考えましょう。施錠によって火災時の避難が妨げられないかなども確認し、ケアマネジャーなどに相談することが大切です。

Q.家族が仕事で見守れない場合はどうすればよいですか?

A.デイサービスや訪問介護などの利用を検討しましょう。見守りが難しい時間帯を伝え、本人に合った支援方法を相談してください。

まとめ|安全な暮らしのために早めの対策を

認知症の方が一人で外出してしまう背景には、不安や記憶の変化、本人なりの目的があることもあります。

行動の理由を考えながら、安全対策や介護サービスを取り入れ、本人も家族も安心できる環境を整えていきましょう。

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