認知症の方にYouTubeを見せるときの注意点 ──「良かれと思って」が逆効果にならないために

「テレビばかり見ているから、YouTubeならもっと楽しめるかも」

そう思って認知症の方に動画を見せてみたところ、落ち着くどころか、不安になったり混乱したりしたということがあります。

YouTubeは、認知症の方にとって必ずしも「良いもの」「悪いもの」と決められるものではありません。
大切なのは、動画の内容や音量、視聴する環境などを、ご本人の反応に合わせて調整することです。

YouTubeが認知症に「良い」とは限りません

昔好きだった歌や懐かしい映像を見て、表情が和らいだり、思い出話を始めたりすることはあります。

一方で、YouTubeを見れば認知症の症状が改善する、と医学的に一律に言えるものではありません。

「効果があるか」だけを考えるのではなく、本人が安心して楽しめているかを基準にしましょう。

認知症の方にYouTubeを見せるときの5つの注意点

① 刺激の強い動画は避ける

大きな音、急な効果音、画面の激しい切り替わりなどは、驚きや不安につながることがあります。まずは穏やかな音楽や風景映像などから試してみましょう。

② 次々に違う動画を流さない

おすすめ動画などから、突然まったく違う内容に切り替わることがあります。ご本人が安心して見られる動画をあらかじめ選んでおくとよいでしょう。

③ 広告や購入画面に注意する

動画の途中に広告が入ることで、「何が始まったの?」と戸惑う場合があります。商品購入などにつながる可能性もあるため、家族が近くで見守ると安心です。

④ 長時間つけっぱなしにしない

落ち着いているからと一日中流し続けるのではなく、本人の様子を見ながら休憩を入れましょう。目安となる時間には個人差があります。

⑤ 「昨日よかったから今日も」と決めつけない

同じ動画でも、その日の体調や気分によって反応が変わることがあります。表情や落ち着き方を見ながら、その日の状態に合わせましょう。

こんな反応があったら、いったん動画を止めてみましょう

・表情が険しくなった

・落ち着きがなくなった

・不安そうに何度も質問する

・怒りっぽくなった

・見終わった後も興奮や不安が続いている

このような場合は、「せっかく選んだのだから」と続ける必要はありません。動画を止めて、音楽を聴く、会話をする、静かな場所で休むなど、別の過ごし方に切り替えてみましょう。

認知症の方が楽しみやすい動画を選ぶには?

🌿 昔好きだった歌や音楽

🌿 昔の街並みや風景

🌿 動物や自然の映像

🌿 ゆっくりした体操や軽い運動の動画

「認知症だからこの動画」と決めるのではなく、本人が以前から好きだったものを手がかりにすると、動画選びのヒントになります。

よくあるQ&A

Q. 認知症の親にYouTubeを見せても大丈夫ですか?

A. 楽しめる方もいます。ただし、動画によっては不安や混乱につながることもあるため、ご本人の反応を見ながら利用しましょう。

Q. 何分くらい見せればいいですか?

A. 一律の時間を決めるより、疲れていないか、落ち着いているかなどを確認することが大切です。

Q. YouTubeを見ているときに怒り出したら?

A. まず動画を止め、静かな環境で休んでもらいましょう。頻繁に強い不安や混乱が見られる場合は、医療・介護の専門職に相談することも検討してください。

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