認知症の親が一人暮らしを続けるリスクとは?
「まだ自分で生活できているから大丈夫」
「住み慣れた家を離れたくないと言っている」
認知症と診断された親御さんが一人暮らしを続けている場合、多くのご家族が悩む問題です。
本人の気持ちを尊重したい一方で、認知症の進行によって思わぬ事故やトラブルが起きる可能性もあります。
今回は、認知症の方が一人暮らしを続ける際に考えておきたいリスクについて解説します。
認知症でも一人暮らしは可能?
認知症といっても症状の程度はさまざまです。
初期段階であれば、買い物や食事の準備、掃除などを問題なく行える方もいます。
しかし認知症は進行性の病気です。
今は問題なく生活できていても、数か月後や数年後には状況が変わる可能性があります。
そのため「今は大丈夫」だけで判断せず、将来的なリスクも考えておくことが大切です。
① 火の不始末による事故
認知症の方の一人暮らしで特に心配されるのが火災です。
- 鍋を火にかけたまま忘れる
- ガスコンロを消し忘れる
- ストーブをつけっぱなしにする
- タバコの火の始末を忘れる
本人は「ちゃんと消したつもり」でも、記憶が曖昧になっていることがあります。
大きな事故につながる可能性があるため注意が必要です。
IHコンロへの変更、自動消火機能付き機器の導入、見守りサービスの活用など
② 徘徊や行方不明
認知症が進行すると、自宅への帰り道が分からなくなることがあります。
近所への買い物のつもりが遠くまで歩いてしまい、帰宅できなくなるケースも少なくありません。
特に暑い日や寒い日は命に関わる危険があります。
警察庁の統計でも、認知症による行方不明者の届け出は毎年多く報告されています。
③ 詐欺や悪質商法の被害
認知症の方は判断力が低下しやすく、詐欺や訪問販売のターゲットになりやすい傾向があります。
- 不要な高額商品を契約する
- 屋根修理などの訪問営業を信じてしまう
- 電話でお金を振り込んでしまう
- 知らない人を家に入れてしまう
最近は高齢者を狙った犯罪も増えており、一人暮らしの場合は特に注意が必要です。
④ 薬の飲み忘れ・飲み過ぎ
認知症になると服薬管理が難しくなります。
- 飲んだことを忘れて再度飲む
- 飲み忘れが続く
- 違う薬を飲む
高血圧や糖尿病など持病がある場合は、体調悪化につながることもあります。
薬カレンダーや訪問看護などの活用も検討したいところです。
⑤ 栄養不足や脱水
認知症が進行すると食事そのものを忘れてしまうことがあります。
冷蔵庫の中が空になっていたり、同じ物ばかり食べていたりするケースもあります。
- 低栄養
- 脱水症状
- 体重減少
- 体力低下
これらは転倒や入院のリスクを高める原因になります。
⑥ 孤独による心身の衰え
一人暮らしでは人と話す機会が少なくなりがちです。
社会とのつながりが減ることで、
認知機能の低下が進んだり、うつ状態になったりすることもあります。
デイサービスや地域交流への参加など、人との関わりを持つことは非常に重要です。
こんなサインが見えたら要注意
- 冷蔵庫に同じ食品が大量にある
- 郵便物が溜まっている
- 部屋の片付けができなくなった
- お金の管理が難しくなった
- 同じ話を何度も繰り返す
- 服薬管理ができていない
- 近所で道に迷ったことがある
こうした変化が増えてきた場合は、一人暮らしの継続について家族で話し合うタイミングかもしれません。
老人ホームという選択肢も
認知症だから必ず施設に入るべきというわけではありません。
しかし、一人暮らしのリスクが高まった場合には、介護サービスの利用や老人ホームへの住み替えを検討することも大切です。
特に認知症の方の入居・対応が充実している施設では、専門スタッフによる見守りや生活支援を受けながら安心して暮らすことができます。
「まだ早いかな」と思う段階から情報収集を始めておくことで、いざという時に慌てずに選択できます。
まとめ
認知症の親御さんが一人暮らしを続けることには、
火災、徘徊、詐欺被害、服薬ミス、低栄養などさまざまなリスクがあります。
大切なのは「今できているか」だけではなく、「今後も安全に続けられるか」を考えることです。
ご本人の希望を尊重しながら、ご家族だけで抱え込まず専門家にも相談してみましょう。
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