認知症 盗み癖 対策|家族がやるべき対応とNG行動
「財布を盗んだでしょ!」
「通帳がなくなった!」
「ヘルパーさんが持っていった!」
認知症のあるご家族から、このように物を盗まれたと訴えられ、対応に悩んでいませんか?
認知症では、物をしまった場所を忘れたり、記憶の変化や不安から「誰かに盗まれた」と感じたりすることがあります。
家族や介護職員が疑われると、介護する側も深く傷ついてしまいます。今回は、認知症の「盗み癖」と呼ばれる行動の背景と、家族ができる対応、避けたいNG行動について解説します。
認知症の「盗み癖」は本当に盗み癖?
認知症の方が「物を盗まれた」と訴える場合、物盗られ妄想が関係していることがあります。
物盗られ妄想とは、財布や現金などを自分でしまった場所を忘れたことなどをきっかけに、「誰かに盗まれた」と感じる状態です。
ただし、すべての訴えが認知症によるものとは限りません。実際に物が移動している場合や、別の原因が関係している可能性もあるため、決めつけずに状況を確認することが大切です。
物盗られ妄想が起こる背景
- 物を置いた場所を忘れてしまう
- 記憶のつながりが途切れる
- 不安や孤独感が強くなる
- 環境の変化や体調の影響を受ける
特に、財布・通帳・現金・鍵・印鑑など、本人にとって大切な物をめぐって起こることがあります。
家族が最初に知っておきたいこと
対応するときに大切なのは、本人が「盗まれた」と感じている不安を理解しようとすることです。
家族から見ると誤解に思えても、本人にとっては深刻な問題として受け止められている場合があります。
🌿 気持ちを受け止める声かけ
「大切な物がなくなって心配だったね」
「一緒に探してみましょう」
「どこに置いたか、ゆっくり思い出してみようか」
すぐに正しさを証明しようとするよりも、まずは本人の不安を和らげることを意識しましょう。
認知症の盗み癖対策|家族ができる4つの工夫
① 物を置く場所を決める
財布や鍵などは、毎回同じ場所に置く習慣をつくりましょう。本人が使いやすく、見つけやすい場所を選ぶことがポイントです。
② 大切な物の管理方法を見直す
通帳や印鑑、現金などは、本人の意思や権利を尊重しながら、安全な管理方法を家族で話し合いましょう。
③ 記録をつけて傾向を確認する
いつ、どこで、どのような訴えがあったかを記録すると、きっかけや環境の変化に気づきやすくなります。
④ 家族や介護職員で情報を共有する
特定の家族やヘルパーだけに対応を任せず、ケアマネジャーなどとも状況を共有しましょう。関係者で対応方法をそろえることが、本人と介護者双方の安心につながります。
認知症の盗み癖でやってはいけないNG行動
繰り返し疑われると、介護する側もつらくなります。しかし、次のような対応は本人の不安や対立を強める可能性があります。
❌ 避けたい対応
- 「そんなわけない」と強く否定する
- 怒鳴ったり、責めたりする
- 無理に記憶を思い出させようとする
- 家族全員で一度に説得する
- 「また始まった」と突き放す
すべての場面で冷静に対応するのは簡単ではありません。介護する側が疲れているときは、いったん距離を置いたり、別の家族や専門職に対応を代わってもらったりすることも大切です。
物盗られ妄想が続くときは専門職へ相談を
物を盗まれたという訴えが頻繁に起こり、家族との関係や日常生活に影響している場合は、かかりつけ医やケアマネジャーに相談しましょう。
特に、急に症状が強くなった場合や、普段と異なる混乱・体調の変化が見られる場合は、認知症だけが原因と決めつけず、医療機関で確認することが大切です。
家族だけで対応することが難しい場合は、訪問介護や通所介護などのサービスについて相談する方法もあります。
認知症対応の老人ホームを検討するタイミング
物盗られ妄想などの症状が続くと、家族の精神的な負担が大きくなることがあります。
次のような状況が重なってきた場合は、老人ホームや高齢者施設への入居について相談することも選択肢のひとつです。
- 家族への疑いが頻繁に起こる
- 介護者の心身の負担が大きい
- 一人で過ごす時間の安全が心配
- 自宅での対応方法に悩んでいる
認知症の方を受け入れている施設でも、対応できる症状や医療・介護体制は異なります。
ご本人の状態や希望、ご家族の状況を踏まえ、認知症への対応体制や生活環境を確認しながら施設を検討しましょう。
よくある質問|認知症の盗み癖への対応
Q.何度も犯人扱いされるときはどうすればよいですか?
毎回すべてを否定しようとせず、本人の不安を受け止めながら対応しましょう。家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや医療機関にも相談してください。
Q.ヘルパーさんが疑われた場合はどうすればよいですか?
本人の訴えを頭から否定せず、事実確認を行いましょう。訪問介護事業所やケアマネジャーと情報を共有し、特定の職員だけに負担が偏らない対応を検討します。
まとめ|家族だけで抱え込まないことが大切
認知症の「盗み癖」と呼ばれる行動には、記憶の変化や不安などが関係している場合があります。
本人の訴えをすぐに否定するのではなく、気持ちを受け止めながら、物の管理方法や生活環境を見直しましょう。
介護する側が疲れ切ってしまう前に、医療機関や介護の専門職へ相談することも大切です。
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