認知症の困った行動⑨食べない・食べ過ぎるのはなぜ?

「急に食べなくなってしまった…」 「さっき食べたのに、また食べたいと言う」

認知症の方の食事に関する悩みは、 “食べない”と“食べ過ぎる”の両極端で現れることがあります。

どちらも一見すると困った行動ですが、 その背景には身体や心の変化が隠れています。

食べない理由とは?

① 食欲の低下・体調不良

加齢や認知症の進行により、食欲そのものが落ちることがあります。

また、便秘・脱水・感染症などの影響で、 食べたくても食べられない状態になっていることもあります。

② 食べ物と認識できない

目の前にあるものが何かわからず、 「食べるもの」と認識できないケースもあります。

③ 味覚・嗅覚の変化

味を感じにくくなり、 食事の楽しみが減ってしまうことがあります。

④ 食べることへの不安

「飲み込めるか不安」「むせた経験がある」など、 恐怖心から食事を避ける場合もあります。

食べ過ぎてしまう理由とは?

① 食べた記憶が残らない

直前の食事を覚えていないため、 「まだ食べていない」と感じてしまうことがあります。

② 満腹感を感じにくい

脳の働きの変化により、 お腹いっぱいという感覚が弱くなることがあります。

③ 不安やストレスの表れ

食べることで安心しようとする、 いわば“心の安定行動”として現れることもあります。

④ 口さみしさ

やることがなくなると、 つい何かを食べてしまうこともあります。

やってしまいがちなNG対応

  • 無理に食べさせる
  • 「さっき食べたでしょ」と強く否定する
  • 食べ過ぎを厳しく制限する

これらはストレスや不安を強め、 逆に症状を悪化させる可能性があります。

効果的な対応方法

① 食べやすい工夫をする

  • 一口サイズにする
  • 柔らかく調理する
  • 見た目をシンプルにする

「食べられる形」に整えることが重要です。

② 少量を回数に分ける

一度に食べられない場合は、 間食を含めて回数を増やすことで栄養を補えます。

③ 食事の記録を見える化する

「食べていない」と感じる方には、

  • 食事チェック表
  • 写真記録

などが効果的です。

④ 食べ過ぎ防止の環境づくり

  • 目につく場所に食べ物を置かない
  • 低カロリーのおやつにする

制限ではなく環境調整がポイントです。

⑤ 一緒に食べる

誰かと一緒に食事をすることで、 安心感が生まれ、食事量が安定しやすくなります。

注意したいポイント

食事の変化は、 体調悪化のサインであることもあります。

  • 急激な体重減少
  • 水分が取れていない
  • むせが増えた

このような場合は、 医療機関への相談も検討しましょう。

まとめ

  • 食べない・食べ過ぎるの背景には認知機能の変化がある
  • 無理に正そうとせず、環境や関わり方を工夫する
  • 体調変化のサインを見逃さない

食事の問題は、日々の介護負担に直結します。

「なぜそうなるのか」を理解することで、 対応のストレスは大きく軽減されます。

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