認知症の「ダメ3原則」とは何ですか?
認知症の「ダメ3原則」とは、認知症の方を介護する際に避けるべき3つの行動のことを指します。これらは、認知症の方が不安や混乱を感じないように、またケアがよりスムーズに進むようにするための指針となります。具体的には次の3つです。
1. 否定しない
認知症の方が言うことや感じていることに対して、「違う」と否定してしまうのは避けるべきです。認知症の方は記憶や認識が不安定なため、現実と異なることを言ったり行動したりすることがありますが、そのことを否定すると混乱や不安が増してしまいます。代わりに、穏やかに聞き入れたり、共感的な対応を心掛けましょう。
例:もし「昨日、お母さんがここに来た」と言われた場合、「違うよ」と否定するのではなく、「そうなんですね、どんなことをしていたのですか?」と穏やかに受け入れる姿勢が大切です。
2. 急かさない
認知症の方は思考や動作が遅くなることがあります。急かされると焦ってしまい、さらに認知症の症状が強く出ることがあります。ゆっくりと時間をかけて、穏やかに対応することが重要です。
例:「早くしなさい」と急かすのではなく、「ゆっくりでいいから、焦らずにやろうね」と、温かく見守ることが大切です。
3. 不安にさせない
認知症の方は、変化や新しい状況に対して不安を感じやすいです。生活環境や日常のルーチンが突然変わったり、急激な状況の変化があると、混乱や恐怖を感じやすくなります。できるだけ安定した環境を提供し、安心感を与えることが大切です。
例:部屋のレイアウトを頻繁に変えたり、大きな音を立てたりしないように注意しましょう。また、予期しない出来事には穏やかに対応し、不安を和らげるよう心掛けます。
これらの原則を守ることで、認知症の方ができるだけ穏やかに過ごせるようサポートすることができます。認知症のケアは、尊厳を保ちながら日常生活を支援することが大切です。