母を老人ホームに入れてよかったこと・大変だったこと

 

親の介護について考える際、老人ホームの入居は多くのご家族にとって重要な選択肢の一つです。自宅での介護に限界を感じたり、より専門的なケアを求めたりする場合、老人ホームの入居を検討することになります。私自身も母を老人ホームに入れる決断をしました。その経験をもとに、「よかったこと」と「大変だったこと」について詳しくお伝えします。

老人ホームに入れてよかったこと

  1. 安心できる介護体制
    自宅での介護では、どうしても対応できない場面がありました。特に夜間の見守りや、急な体調の変化への対応は大きな不安要素でした。しかし、老人ホームでは24時間体制で介護スタッフが常駐し、必要なときにすぐに適切なケアを受けられるため、大きな安心感がありました。また、医療機関と提携している施設も多く、定期的な健康チェックや緊急時の対応がスムーズに行われる点も心強かったです。
  2. 母の生活リズムが安定した
    自宅での生活では、どうしても食事の時間がバラバラになったり、運動が不足したりすることがありました。しかし、老人ホームでは栄養バランスの取れた食事が決まった時間に提供されるほか、日常的な体操やレクリエーションがあり、生活のリズムが整いました。その結果、母の体調が安定し、以前よりも元気な様子が見られるようになりました。
  3. 社会的なつながりが増えた
    母は自宅での生活では外出する機会が減り、孤独を感じることが多かったのですが、老人ホームに入居したことで同世代の入居者と交流する機会が増えました。毎日の食事やレクリエーションを通じて、新しい友人ができたようで、以前よりも表情が明るくなりました。また、スタッフの方々も優しく話しかけてくださり、母が安心して生活できる環境が整っていました。
  4. 家族の負担が軽減された
    介護をしている家族にとって、介護の負担が軽減されることは非常に大きなメリットです。私自身、仕事との両立が難しくなっていたため、母を老人ホームに預けることで精神的にも体力的にも余裕が生まれました。安心して仕事に集中できるようになり、家族全員の生活にゆとりが生まれたと感じています。

大変だったこと

  1. 入居までの手続きが複雑
    老人ホームを選ぶ際には、多くの施設を見学し、費用やサービス内容を比較する必要がありました。また、入居の申し込みには書類の準備や審査が必要で、思った以上に時間と手間がかかりました。さらに、希望する施設が満室だったため、入居までに待機期間が発生したこともありました。
  2. 母の抵抗があった
    入居を決めた当初、母は「自宅にいたい」という強い希望を持っており、説得するのが大変でした。母にとっては、長年住み慣れた家を離れることに対する不安や寂しさが大きかったのだと思います。何度も話し合いを重ね、施設の見学を一緒に行うことで少しずつ理解を得られましたが、入居後もしばらくは寂しそうにしていたため、定期的に訪問して安心させるよう心がけました。
  3. 費用の負担が大きい
    老人ホームにはさまざまな種類があり、料金も大きく異なりますが、やはり月々の費用負担は決して小さくありませんでした。入居金や月額費用の他に、介護サービスや医療費が別途かかる場合もあり、家族でしっかりと金銭計画を立てる必要がありました。費用面で不安がある場合は、公的支援制度を利用するのも一つの方法です。
  4. 最初の慣れない時期が大変
    環境の変化に慣れるまでの期間は、母にとっても家族にとっても大変でした。特に入居直後は、新しい生活リズムや人間関係に適応するのが難しく、母自身が戸惑いを感じることも多かったようです。しかし、施設のスタッフの方々が親身になって対応してくださり、少しずつ母も安心して過ごせるようになりました。

まとめ

老人ホームへの入居は、メリットもあれば大変なこともあります。しかし、適切な施設を選び、家族がしっかりサポートすることで、より良い生活につなげることができます。入居を考えている方は、事前に情報収集を行い、施設の見学をすることが大切です。また、入居後も定期的に訪問し、本人の気持ちに寄り添うことが、より良い生活を送るための鍵となるでしょう。本記事が、老人ホームの入居を検討している方々の参考になれば幸いです。