介護がつらいと感じたときに思い出してほしい“ダメ三原則”の力
そんなときに、家族として、また介護する人自身が心を軽くするために役立つのが<ダメ三原則>です。
この記事では、やさしい言葉でダメ三原則の意味と具体的な実践法、そして無理をしないためのセルフケアまで、丁寧にご紹介します。
まずは「ダメ三原則」とは?
ダメ三原則 = 「怒らない・否定しない・命令しない」。
これは介護の現場で使われるコミュニケーションの基本です。
つい注意したくなる場面でも、この三つを意識することで、本人の尊厳を守りつつ穏やかな関係を保ちやすくなります。
「相手の心を受け止めるためのやさしい合言葉」です。まずは1つから試してみましょう。
① 怒らない — 感情より“事実”を伝える
感情的に怒ってしまうと、相手も防御的になり、話し合いが進みません。
怒りが湧いたときは、一度深呼吸してから、冷静に事実だけを伝えることを心がけましょう。
- NG:「なんでまた忘れるの!?」(感情的)
- OK:「薬は朝と夜に分かれてるよ。いまは朝の分だよ」—事実を穏やかに。
もし怒りが収まらないときは、代わりに「今は少し時間をもらっていい?」と伝え、一旦その場を離れてクールダウンするのも有効です。
② 否定しない — 「その気持ち」を否定しない
「そんなことないよ」とすぐに否定すると、相手は心を閉ざしてしまいます。まずは気持ちに寄り添うことが大切です。
やってみる言葉:
「そう感じるんだね。つらかったね」
→ 共感のあとで、状況をどう改善できるか一緒に考えます。
否定せずに受け止めると、本人も安心して話しやすくなり、問題解決のヒントが自然に出てくることが多いです。
③ 命令しない — 選択肢を示して“自分で選べる”場をつくる
命令口調は、自立心を損なうことがあります。代わりに小さな選択肢を提示し、本人が「選べる」状況をつくると良いでしょう。
- 「どっちがいい?AかBか選んでね」
- 「今日は散歩に行く?それとも一緒にテレビを見ようか?」
選ぶ自由があることで、本人の自尊心や日常の満足感が保たれます。
実践例:ダメ三原則を日常で使う簡単フレーズ
- 「それは大変だったね(共感)→ 一緒にやってみようか?」
- 「今はこういう状況だから、こうしてみるのはどうかな?」(選択肢提示)
- 「ちょっと休んでから話そうか。私も一旦お茶を入れてくるね。」(クールダウン)
最初はぎこちなく感じても、続けるうちに自然に言葉が出るようになります。まずは一つだけ取り入れてみましょう。
介護する側のセルフケアも忘れずに
ダメ三原則は相手を支える手法ですが、介護する自分自身も疲れてしまっては続きません。以下を参考に、自分を大切にする工夫を取り入れましょう。
- 短い休憩を定期的に入れる(深呼吸や軽いストレッチ)
- 週に1回は友人と話す時間をつくる
- 夜はスマホの時間を減らして睡眠を優先する
- 助けが必要なら、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する
誰かに頼ることは“弱さ”ではなく、長く続けるための大切な知恵です。
それでもつらいときは──外部サービスの活用を
「自分では対応しきれない」と感じたら、遠慮せずに外部の力を借りましょう。
デイサービスやショートステイ、訪問介護などを上手に組み合わせると、介護者の負担が大きく軽くなります。
まとめ:小さなやさしさが、続ける力になる
介護は長い道のりです。完璧を目指す必要はありません。
「怒らない・否定しない・命令しない」というダメ三原則を心の合言葉にして、少しずつ言葉と態度を変えていくだけで、関係が柔らかくなります。
そして何より、あなた自身の心と体を守ることが大切です。困ったときは一人で抱え込まず、周りや専門サービスに相談してください。
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