【認知症ケア】徘徊(はいかい)はなぜ起こる?原因と家族ができる安全対策
認知症の方に見られる行動の中でも、家族がもっとも不安を感じるのが「徘徊(はいかい)」です。
どこへ行くのか分からない、事故に遭わないか心配――。その気持ちは当然です。
しかし、徘徊は“意味のない行動”ではありません。 この記事では、徘徊が起こる理由と、今日からできる安全対策を分かりやすく解説します。
徘徊(はいかい)とは?
徘徊とは、認知症の方が家の中や外を歩き回り、目的も分からず移動してしまう状態を指します。 実は、本人には「理由」や「目的」がある場合が多く、決して無意味な行動ではありません。
✔ よく見られる徘徊のパターン
- 家の中を落ち着かず歩き回る
- 外に出て帰れなくなる
- 深夜に家を出ようとする
- 「家に帰る」と言って外に出ようとする
徘徊が起こる主な原因
徘徊の背景には、認知症による脳の障害が関係しています。 ここでは代表的な原因をご紹介します。
① 「不安・混乱」から外へ出てしまう
認知症の方は、新しい環境や刺激に不安を抱きやすく、混乱状態になると歩き回りやすくなります。
② 過去の記憶に基づく“目的行動”
たとえば、昔の記憶が鮮明な場合、
- 「仕事に行かなきゃ」
- 「子どもを迎えに行く」
- 「買い物に行かないと」
といった“生活上の目的”を果たすために家を出ようとします。
③ 昼夜逆転やせん妄による行動
夜間、環境の変化から不安が強くなると、家を出ようとする場合があります。
④ 身体の不調や不快感
痛み・便秘・尿意などの不快感が原因で、落ち着きがなくなり歩き回ることがあります。
⑤ 「居場所」を見失う
記憶障害により、今いる場所が自宅だと分からなくなると「家に帰らなきゃ」と外に出ようとします。
家族ができる“安全対策”
徘徊を完全に止めることは難しいですが、 「安全に」「安心して」暮らせる工夫をすることはできます。
① 声かけで不安を取り除く
否定せず、ゆっくり落ち着いた声で話しかけましょう。
- 「どこか行きたいところがありますか?」
- 「私も一緒に行きましょうか」
- 「少し休んでからでも大丈夫ですよ」
② 外出しても安全な環境づくり
- 玄関にチャイム式センサーを設置
- 鍵を目につきにくい場所に保管
- 室内に誘導する貼り紙(トイレ・部屋の案内)
③ 身体の不調をチェック
便秘・脱水・痛みなどの不調は徘徊を強めます。 定期的に体調を確認し、必要なら医療介入を検討します。
④ GPSや見守りサービスを活用
最近は、小型GPSや見守りシールなど便利なツールが増えています。
- 靴に入れられるGPS
- スマホ連動の見守りタグ
- 地域の「徘徊SOS」登録制度
⑤ 介護サービスを積極的に利用
デイサービスや訪問介護の利用で、本人の不安が減り、徘徊も落ち着くケースがあります。
家族が“やってはいけない”対応
- 力で止める・怒鳴る:逆効果で不安が増します
- 無理に説得する:「分からないこと」を説明しても伝わりません
- 閉じ込める:本人の尊厳を大きく損ないます
徘徊は「困った行動」ではなく、 “助けを求めるサイン”としてとらえることが大切です。
まとめ:大切なのは「安心できる環境」
徘徊には必ず理由があります。 家族がその背景を理解し、安心できる環境を整えることで、 徘徊は大幅に減らすことができます。
- 不安を減らす声かけ
- 安全な環境づくり
- GPSや見守りサービスの活用
- 介護サービスの併用
家族だけで抱え込まず、地域や専門サービスの支援を活用しながら、 認知症の方の「安心できる暮らし」を守っていきましょう。

