【介護のヒント】テレビ以外で寝たきりでも楽しめるものってありますか?

寝たきりの方の毎日、「テレビを見るだけになってしまっている…」と感じるご家族も多いのではないでしょうか。
確かにテレビは気軽な娯楽ですが、ずっと見ているだけでは刺激が少なく、日中の楽しみが単調になりがちです。

そこで今回は、寝たきりの方でも無理なく楽しめる“テレビ以外の過ごし方”をご紹介します。

1. 音で楽しむ「朗読」や「ラジオ」

目を使わずに楽しめる「音の世界」は、寝たきりの方にとって心の支えにもなります。
最近は、朗読アプリやポッドキャストなども充実しており、昔話や小説、ニュース、音楽など多彩なジャンルを楽しめます。

おすすめ:
・NHKラジオ第2「朗読の時間」
・Audible(オーディブル)などの音声配信アプリ
・懐かしい歌番組の音声だけを流すのも◎

2. 手を動かす「触る」楽しみ

手を少しでも動かせる方なら、手触りを感じる遊びが気分転換になります。

  • 柔らかいボールやセラバンドを握る
  • ぬいぐるみ・毛糸・タオルなど、感触を変えて触る
  • 香り袋を握って、匂いを楽しむ

「触る」「感じる」といった刺激は、脳への良いリハビリにもなります。

3. 思い出を語る「回想レクリエーション」

写真を見ながら昔の話をするだけでも、心が動きます。
家族や介護士さんが「この時はどんな気持ちだった?」「この写真はどこ?」と声をかけることで、会話のきっかけにもなります。

ポイント:
昔の歌をかけながら話すと、より自然に記憶がよみがえることもあります。
懐メロや昭和のラジオ番組などはとても人気です。

4. 香りや季節を感じる「感覚の時間」

ベッドの上でも、「五感」で季節を感じることはできます。

  • アロマオイル(ラベンダー・柚子など)をコットンに数滴
  • 小さな観葉植物や季節の花を飾る
  • 窓を開けて外の風や音を感じる

香り・風・音は、日々にささやかな変化を与えてくれます。

5. 家族と一緒に「聴く・話す」時間

最も大切なのは、誰かと気持ちを共有する時間です。
一緒にラジオを聴いたり、写真を見ながら話すだけでも、孤独感が減り、表情が明るくなります。

「テレビ以外に何もできない」と思っていた方でも、
“感じる”“話す”“聴く”だけで、毎日が少しずつ豊かになります。

まとめ

寝たきりの方にとって大切なのは、「できることを少しでも楽しむ」こと。
その中には、テレビ以外にもたくさんの工夫があります。

家族や介護スタッフが少し手を添えるだけで、
毎日に笑顔と刺激が戻ってくる──そんな瞬間を大切にしていきたいですね。


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