「認知症のグレーゾーン」とは?
「認知症のグレーゾーン」とは、**「認知症ではないけれど、加齢による物忘れよりも少し進行している状態」**のことを指します。医学的には 「軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)」 と呼ばれます。
この段階では、まだ認知症ではないので、日常生活はほぼ自立して送れます。しかし、「以前よりも物忘れが増えた」「注意力が落ちた」といった変化が見られ、将来的に認知症へ進行するリスクが高い状態です。
「認知症のグレーゾーン(MCI)」の特徴
認知症とまではいかないものの、普通の物忘れとは違う特徴がいくつかあります。
① 物忘れが増えるが、自分でも気づく
- 最近の出来事や会話の内容を忘れやすい
- でも、「あれ?忘れたな」と自覚している
- ヒントをもらうと「そうだった!」と思い出せる
💡 認知症との違い
→ 認知症になると、物忘れの自覚がなくなることが多い
② 複雑な作業やマルチタスクが苦手になる
- 料理の手順を忘れることがある(でも、一度思い出せばできる)
- 仕事や家事の段取りがうまくいかないことが増える
- 2つのことを同時に進めるのが難しくなる
💡 認知症との違い
→ 認知症では「料理そのものができなくなる」「家電の使い方を忘れる」などの影響が大きくなる
③ ぼんやりすることが増える
- 以前よりも集中力が落ちていると感じる
- 「さっき何しようとしたっけ?」と考えることが増える
- 本や新聞を読んでいても、内容が頭に入りにくい
💡 認知症との違い
→ 認知症では「読んだこと自体を忘れる」「新聞や本に興味を持たなくなる」
④ 判断力が少し鈍る
- 「今日は寒いのに薄着で出かけてしまった」
- 「お釣りを間違えて受け取ったことに気づくのが遅くなった」
- 「財布や鍵をどこに置いたか思い出すのに時間がかかる」
💡 認知症との違い
→ 認知症が進むと、**「お金の管理ができない」「詐欺に引っかかりやすくなる」**といった問題が出てくる
「グレーゾーン」から認知症へ進行する確率は?
軽度認知障害(MCI)の人が1年で約10~15%の確率で認知症になると言われています。ただし、適切な対策をすれば認知症にならずに済むことも多いです。
「認知症のグレーゾーン」の段階でできること
この状態は 「元に戻せる可能性がある」 のが特徴です。生活習慣を見直すことで、認知症への進行を防ぐことができます。
① 脳を活性化する
- 新しいことに挑戦する(楽器を始める、習い事をする、旅行をする)
- 人とたくさん会話する(友達と会う、電話する、家族と話す)
- 計算や漢字クイズなどで頭を使う
② 運動を習慣にする
- ウォーキングやストレッチを毎日行う
- 軽い筋トレ(スクワットやかかと上げ運動)をする
- 週に2~3回は少し息が上がる運動をする(ダンスやラジオ体操)
③ 食生活を整える
- 魚(特に青魚)、野菜、大豆製品、ナッツ類を意識的にとる
- 食塩や糖分を控えめにする
- 水分をしっかりとる(脱水も認知機能低下の原因になる)
④ 質の良い睡眠をとる
- 7時間以上の睡眠を確保する
- 寝る前にスマホやテレビを見すぎない
- 睡眠時無呼吸症候群がある場合は治療をする
⑤ ストレスを減らす
- 趣味を楽しむ
- 瞑想や深呼吸を取り入れる
- 「完璧にしなきゃ」と考えすぎない
まとめ
✅ 認知症のグレーゾーン(MCI) とは、「普通の物忘れより進んでいるが、認知症ではない状態」
✅ この段階では 自分で自覚があり、日常生活もほぼ自立できる
✅ 生活習慣を見直せば、認知症を防ぐことも可能!
もし「最近、物忘れが増えてきたな」と感じたら、今のうちに脳を鍛えたり、生活習慣を整えることが大切です!