「怒らない・否定しない・命令しない」──“認知症のダメ三原則”が家族を救う

認知症の親や家族と接していると、ついイライラしたり、否定したくなったり、命令口調になってしまうことはありませんか?
実は、そうした対応が認知症の方の混乱や不安を強め、家族自身のストレスも増やしてしまいます。
そこで知っておきたいのが、“認知症のダメ三原則”です。

ダメ三原則とは?

ダメ三原則とは、その名の通り、認知症の方と接するときに避けるべき3つのことです。

  • 怒らない:つい感情的になって怒ってしまうと、認知症の方は不安や恐怖を感じやすくなります。
  • 否定しない:記憶違いや混乱を指摘して否定すると、自己肯定感が下がり、混乱が悪化します。
  • 命令しない:無理に指示すると反発や混乱を招くことがあります。代わりに提案や誘導の形で声をかけると安心です。

具体的な接し方の例

実際にどうすればいいか、簡単な例を挙げてみます。

  • 怒らない:お皿を落としても、「大丈夫、次は一緒に片付けようね」と優しく声をかける。
  • 否定しない:「今日は仕事に行く?」と聞かれたら、「そうだね、今日はもうゆっくり休もうね」と返す。
  • 命令しない:「服を着て!」ではなく、「この服とあの服、どっちを着たい?」と選択肢を与える。

家族が実践するポイント

ダメ三原則を意識するだけで、認知症の方は落ち着きやすくなり、家族も余計なストレスを減らせます。
さらに、次のポイントを意識するとより実践しやすくなります。

  • 深呼吸をして心を落ち着けてから声をかける
  • 小さな成功体験を褒める
  • 無理に理解させようとせず、今の状況を受け入れる
  • 自分ひとりで抱え込まず、家族や施設に相談する

まとめ

認知症の方と接するときに大切なのは、「怒らない・否定しない・命令しない」ことです。
ダメ三原則を意識することで、認知症の方の安心感が増し、家族も無理なく介護できます。
そして、どうしても一人での対応が難しい場合は、施設や専門サービスを利用することも検討しましょう。