セラピー犬とは?高齢者に期待される効果と認知症の方とのふれあい
犬とふれあうと、自然と笑顔になったり、気持ちがほっとしたりした経験はありませんか?
こうした犬の力を高齢者の心身の健康や生活の質の向上に役立てる取り組みが、「セラピー犬」による動物介在活動です。
高齢者施設でも、犬とのふれあいをレクリエーションなどに取り入れるケースがあります。特に、認知症の方にとって、犬との時間はどのような意味を持つのでしょうか。
今回は、セラピー犬とは何か、高齢者に期待される効果や認知症の方とのふれあい方、施設選びで確認したいポイントを紹介します。
セラピー犬とは?普通の犬と何が違う?
セラピー犬とは、人とのふれあいを通じて、心の安定やコミュニケーションを促す活動に参加する犬のことです。
人に慣れているだけでなく、落ち着いた性格や人との接し方などが重視されます。活動内容によっては、適性評価やトレーニングを受けた犬が参加します。
医療やリハビリテーションの一環として専門職が関わる「動物介在療法」と、施設での交流やレクリエーションを目的とする「動物介在活動」は、目的や実施体制が異なります。
🌿 セラピー犬の活動例
- 犬をなでたり、そっと触れたりする
- 犬の名前を呼んだり、話しかけたりする
- 犬の様子を見ながら、ブラッシングなどを楽しむ
- 犬をきっかけに、ほかの入居者や職員と会話する
高齢者に期待される3つの効果
1.気持ちが和らぎ、笑顔が生まれる
犬の温かさや柔らかな毛並み、しぐさに触れることで、心が落ち着いたり、楽しい気持ちになったりする方がいます。日常生活に楽しみが増えることは、生活の質を考えるうえでも大切です。
2.会話やコミュニケーションのきっかけになる
「かわいいね」「昔、犬を飼っていたのよ」など、犬をきっかけに会話が広がることがあります。普段は口数が少ない方でも、犬に興味を示したり、自分から話しかけたりする場合があります。
犬とのふれあいを通して、ほかの入居者や職員との交流が生まれることも期待できます。
3.思い出や意欲を引き出すきっかけになる
以前飼っていた犬のことや、子どもの頃の思い出を話し始める方もいます。また、犬をなでようと手を伸ばす、名前を呼ぶといった動作が生まれることもあります。
ただし、こうした反応には個人差があります。セラピー犬とのふれあいだけで認知症が改善したり、進行を防いだりするとは限りません。治療の代わりではなく、日々の暮らしを豊かにする取り組みとして考えることが大切です。
認知症の方とセラピー犬のふれあい
認知症の方のなかには、言葉で気持ちを伝えることが難しくなったり、周囲の人との交流が少なくなったりする方もいます。
そのようなとき、犬の存在が自然なコミュニケーションのきっかけになることがあります。犬を見て表情が和らぐ、昔のペットの話をする、穏やかな時間を過ごすなど、一人ひとりに異なる反応が見られます。
ふれあいで大切にしたいこと
- 本人が犬を好きか、怖がっていないかを確認する
- 無理に触らせず、見るだけでも楽しめるようにする
- 疲れや緊張が見られたら、すぐに休憩する
- 本人の表情や反応を見ながら、職員が見守る
犬が苦手な方や、アレルギーなどの理由でふれあいが難しい方もいます。認知症があるからといって一律に参加を勧めるのではなく、ご本人の気持ちや体調を尊重しましょう。
セラピー犬がいる老人ホームを選ぶポイント
犬とのふれあいを楽しみにしている方は、老人ホームを探す際に、動物との交流ができるかどうかも確認してみましょう。
- 活動の頻度:毎月開催されるのか、不定期の訪問なのか
- 参加方法:認知症の方や車いすを利用する方も参加できるか
- 衛生・安全管理:犬の健康管理や感染症対策、事故防止の体制が整っているか
- 介護・医療体制:認知症の症状や身体状況に合った支援を受けられるか
また、「セラピー犬がいる」と紹介されていても、犬が常時施設内で暮らしているとは限りません。訪問型の活動もあるため、実施方法や開催頻度を事前に確認することが大切です。
犬とのふれあいだけで入居先を決めるのではなく、食事や居室、費用、認知症ケア、医療面のサポートなども含めて比較しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q.セラピー犬は認知症の進行を防げますか?
A.セラピー犬とのふれあいだけで、認知症の進行を防げると断定することはできません。気持ちの安定や交流のきっかけなど、生活の質を支える活動の一つとして取り入れられています。
Q.犬を飼った経験がなくても楽しめますか?
A.はい。犬を飼ったことがなくても、見るだけ、話しかけるだけなど、ご本人に合った方法で楽しめます。怖さや苦手意識がある場合は、無理に参加する必要はありません。
Q.セラピー犬がいる老人ホームは、どう探せばよいですか?
A.施設の公式サイトや活動紹介を確認し、実際の開催状況を問い合わせてみましょう。施設探しの相談窓口を利用して、希望する条件に合う高齢者施設を探す方法もあります。
まとめ|犬とのふれあいを、暮らしの楽しみに
セラピー犬とのふれあいは、高齢者の気持ちを和らげたり、会話や思い出を引き出したりするきっかけになります。認知症の方にとっても、日々の暮らしに楽しみや人とのつながりを生む機会となることが期待できます。
大切なのは、犬とのふれあいを無理なく楽しめる環境と、ご本人の気持ちを尊重する姿勢です。
セラピー犬との交流を希望される方は、活動内容だけでなく、認知症ケアや医療・介護体制も含めて、ご本人に合った老人ホームを探してみてはいかがでしょうか。
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