認知症の親が知らない人を家に入れてしまう
「インターホンが鳴るとすぐドアを開けてしまう」
「知らない訪問販売の人を家に入れていた」
「“親切そうだったから”と言って契約しそうになった」
認知症のある高齢者では、こうしたトラブルが実際に増えています。
最近は、高齢者を狙った悪質な訪問販売や詐欺、強引な営業なども社会問題になっています。
特に認知症の方は、
- 警戒心が弱くなる
- 相手を信じやすくなる
- 断る判断が難しくなる
- その場で話を合わせてしまう
といった変化が起こることがあります。
今回は、「知らない人を家に入れてしまう」という行動の背景と、ご家族ができる防犯対策についてお話しします。
なぜ認知症だと警戒心が弱くなるの?
認知症になると、記憶力だけでなく“判断力”にも変化が出ることがあります。
例えば、
- 相手が怪しいか判断しづらい
- 「断る」という対応が難しい
- 相手に合わせてしまう
- 昔の感覚で人を信用してしまう
などです。
特に今の高齢世代は、「人を疑うのは失礼」という価値観を持っている方も多く、悪意のある相手に対しても丁寧に対応してしまうことがあります。
ご本人に悪気があるわけではなく、“認知機能の変化”によって起きているケースが少なくありません。
実際に多いトラブル
高齢者宅では、以下のようなトラブルが増えています。
- 不要なリフォーム契約
- 高額商品の購入
- 点検商法
- 押し買い
- 詐欺電話への対応
- 見知らぬ人を家に上げる
認知症の方は、契約したこと自体を覚えていない場合もあります。
また、ご家族が気づいた時には、すでに複数回訪問されていた…というケースもあります。
家族ができる防犯対策
① “すぐ開けない”環境を作る
まず大切なのは、「本人の注意力だけに頼らない」ことです。
例えば、
- モニター付きインターホン
- 録画機能付きドアホン
- 補助鍵
- チェーンロック
などを活用すると、“勢いで開けてしまう”ことを減らしやすくなります。
最近は、迷惑電話対策機能付きの電話機を導入するご家庭も増えています。
② 「知らない人は家に入れない」を繰り返し伝える
一度説明しても、認知症の方は忘れてしまうことがあります。
そのため、
- 玄関にメモを貼る
- 電話横に注意書きを置く
- 短い言葉で繰り返し伝える
など、“思い出せる工夫”が役立つことがあります。
ただし、強く叱ると不安や混乱につながる場合もあるため、穏やかな声かけを意識することが大切です。
③ 地域や周囲とつながる
一人暮らしの場合、近所付き合いや見守りが大きな安心につながることがあります。
例えば、
- 民生委員
- 地域包括支援センター
- 近隣住民
- ケアマネジャー
などと連携しておくことで、異変に気づきやすくなることもあります。
④ 離れて暮らしている場合は“見守り”も選択肢
離れて暮らしていると、「毎日心配」というご家族も少なくありません。
最近は、
- 見守りカメラ
- センサー機器
- 安否確認サービス
- 訪問サービス
などを利用するご家庭も増えています。
また、介護サービスや高齢者住宅を利用することで、24時間スタッフの見守りがある環境へ移るケースもあります。
認知症の方の対応に慣れた施設では、防犯面にも配慮されているところがあります。
「本人のせい」にしないことが大切
被害に遭うと、ご家族もショックを受けます。
ですが、
「なんで開けたの!」
「どうして信じたの?」
と責めてしまうと、ご本人は強い不安や混乱を感じることがあります。
認知症によって判断力が変化している場合、“気をつければ防げる”だけでは難しいこともあります。
だからこそ、
- 環境を整える
- 周囲で支える
- 一人にしすぎない
という視点がとても大切になります。
まとめ
認知症の方が知らない人を家に入れてしまう背景には、
- 判断力低下
- 警戒心の変化
- 人を信じやすい性格
- 孤独感
など、さまざまな要因があります。
「本人が悪い」と考えるのではなく、“安心して暮らせる環境づくり”を考えていくことが大切です。
小さな備えが、大きなトラブルを防ぐことにつながるかもしれません。
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