認知症の家族をなるべく早く施設に入れたい時の注意点とは?

 

認知症の家族を早期に施設に入れることを検討する際、いくつかの重要な注意点があります。施設選びは慎重に行い、家族全員が納得できる形で進めることが大切です。以下の点に留意しましょう。

1. 家族での話し合い

  • 感情的な準備: 家族がどのように感じているかを理解し、感情的なサポートをし合うことが大切です。認知症の進行に伴い、本人や家族の負担が増すため、入所を決定する前にしっかり話し合いましょう。
  • 意見の一致: 家族全員が同じ方向を向いているかを確認します。一部の家族が反対している場合、その理由を理解し、納得できるように話し合うことが重要です。

2. 施設の種類と選択肢

  • 施設の種類: 認知症に特化した施設(認知症専門施設)や、一般的な介護施設、老健(老人保健施設)など、施設の種類を把握しておきましょう。それぞれの施設には特色があり、どの施設が最も適しているかを見極めることが大切です。
  • 施設の立地: 施設の場所が遠すぎると、家族の面会が難しくなり、本人が孤独感を感じることもあります。なるべく家族が通いやすい場所を選びましょう。

3. 施設の質とサービス内容

  • 医療体制: 認知症患者は健康状態に不安があることが多いため、施設内に医師や看護師が常駐しているか、医療サポートが充実しているかを確認しましょう。
  • スタッフの質と人数: スタッフが十分に配備されているか、そしてスタッフが認知症に対する十分な教育を受けているかが重要です。施設の雰囲気やスタッフの対応を実際に見学して確認することをお勧めします。
  • 個別対応の有無: 入所者一人ひとりに対して、個別のケアプランを作成し、その人に合った支援が提供されるかどうかも大切です。

4. 本人の意向

  • 本人の気持ち: 可能であれば、本人の意向を尊重し、入所について本人と話し合うことも重要です。認知症が進行している場合でも、できるだけ安心感を持って施設に入れるようサポートすることが必要です。
  • 生活環境の調整: 入所後に少しでも慣れやすくなるよう、本人が好む生活習慣や慣れ親しんだ環境に近いものを施設内で提供してもらえるかどうかも確認しましょう。

5. 契約内容の確認

  • 契約書の確認: 施設に入所する際には、契約書や規約を十分に確認し、内容に納得してからサインをしましょう。料金体系や介護サービスの内容、退所条件など、細かい部分まで理解しておくことが大切です。
  • 費用の問題: 施設の利用料やその他の費用(食事代、個別ケアの料金など)について、家計の負担にならないように事前に十分に調べ、理解しておきましょう。また、施設によっては介護保険が適用される場合もありますので、適切なサポートを受けられるか確認しておきましょう。

6. 入所前の準備

  • 施設見学: 実際に施設を見学し、施設の雰囲気や清潔さ、設備の状態、スタッフの対応を確かめることは非常に重要です。できれば複数の施設を見学して比較すると良いでしょう。
  • 本人の荷物の準備: 入所にあたり、本人が必要とする衣類や日用品を準備しておきます。本人がリラックスできるような小物(写真や手紙など)を持参するのも効果的です。

7. 法的・行政手続き

  • 認知症の診断書: 施設によっては、認知症の診断書が必要になる場合があります。医師に相談し、診断書を準備しておくことを忘れないようにしましょう。
  • 介護保険の利用: 介護保険の認定を受けている場合、その内容に基づいて施設を選ぶことが重要です。介護保険を利用するためには、事前に市区町村の介護保険課で手続きを行う必要があります。

8. フォローアップと定期的な面会

  • 面会の重要性: 入所後も定期的に面会をすることが、本人の安心感や、施設のケアの質を確認するために大切です。また、本人が施設に適応できているかどうかを見守り、問題があれば早期に対応することが重要です。

施設選びは、本人の生活の質に大きく影響します。どの施設が最適かは一概には言えませんが、事前に十分な情報収集を行い、できるだけ家族全員が納得する形で決定することが求められます。