認知症の介護者の体験談「名前を忘れたけれど、あなたの笑顔は忘れなかった」
認知症を抱える家族との関わりの中で、介護者として感じた愛情や成長、そして時に癒しをテーマにしています。
状況: 私の母はアルツハイマー型認知症を患っています。最初は、自分の名前を繰り返し聞いてくることに苛立ちを感じていました。でもある日、彼女が「あなたは誰?」と尋ねた時、答える代わりに、私はただ笑顔で「こんにちは」と言ってみました。
体験談: その瞬間、母は私の顔をじっと見つめ、突然「あなたは私の娘ね」と言いました。それはとても奇跡的な瞬間で、しばらくすると母は「あなたの笑顔を見て、やっと思い出した」と言ったんです。名前は忘れてしまっても、私の顔や感情は母にとって大切なものであることを感じた瞬間でした。
教訓: 言葉が通じないと感じた時でも、私たちの関係はまだ続いているし、目に見えない絆が強く存在するんだと実感しました。日々の小さな瞬間がどれほど重要かを改めて思い知らされました。
認知症の介護は決して楽なものではありませんが、こうした心温まる瞬間や思い出が、介護者にとっての大きな支えとなるかと思います。