「認知症の物忘れ」と「加齢による物忘れ」の違いについて

 

「認知症の物忘れ」と「加齢による物忘れ」には、いくつかの重要な違いがあります。以下のポイントを比較すると、見分けやすくなります。

1. 物忘れの内容

  • 加齢による物忘れ
    • 体験の一部を忘れる(例:昨日の夕飯のメニューを忘れるが、食事をしたことは覚えている)
    • 人の名前を思い出せないことがあるが、ヒントをもらうと思い出せる
  • 認知症の物忘れ
    • 体験そのものを忘れる(例:食事をしたこと自体を忘れる)
    • 親しい人の名前や顔を忘れることがある

2. 物忘れの自覚

  • 加齢による物忘れ → 自分で物忘れを自覚している
  • 認知症の物忘れ → 物忘れの自覚がないことが多い

3. 日常生活への影響

  • 加齢による物忘れ
    • 生活に大きな支障はなく、忘れてもメモやリマインダーで対応できる
  • 認知症の物忘れ
    • 料理の手順を忘れる、道に迷う、財布のしまい場所を頻繁に忘れるなど、日常生活に影響が出る

4. 進行性

  • 加齢による物忘れ → 進行はゆるやかで、ある程度維持される
  • 認知症の物忘れ → 徐々に悪化し、判断力や認識力にも影響が出る

5. 判断力・思考力

  • 加齢による物忘れ → 判断力は保たれている
  • 認知症の物忘れ → 判断力の低下が見られ、お金の管理や予定の調整が難しくなることがある

もし「物忘れが増えてきた」と感じる場合、日常生活に影響があるかどうかを確認することが大切です。不安がある場合は、早めに医師に相談すると安心ですね。